そもそも「理論値ビルド」とは何か?
LoLにおける「理論値ビルド」とは、ダメージ効率(DPS)やスキル回転率(CDR)などの数値的な強さを最大限に引き出す構成のことを指します。
たとえば、ヴェインであればクリティカル率100%+攻撃速度最大、ゼドであればAR貫通+AD特化のように、「理論上の最大火力」を目指したアイテム選択やルーン構成が該当します。
ただし、こうした構成が“常に最適”とは限りません。なぜなら、実戦では相手の構成や試合展開、プレイヤー自身の得意なプレイスタイルも関係してくるからです。
LoLには「メタ(主流戦術)」という概念があります。現在の勝率が高いビルドや、プロの採用例が多い構成などがこれに当たります。
しかし、自分のプレイスタイルや得意なシチュエーションによっては、“主流”よりも自分にフィットしたビルドの方が強くなることも少なくありません。
たとえば、集団戦を得意とするプレイヤーはスケーリング重視のビルド、スプリットプッシュを好むなら1v1性能に寄せた構成が理にかなうこともあるのです。
【Step 1】まずは「基本形」を知る
まずは、LoLalyticsやOP.GGなどの統計サイト、あるいは公式のおすすめアイテムビルドを確認して、**そのチャンピオンの「鉄板構成」**を知るところから始めましょう。
例えば、アフェリオスならルーデンorクリティカル系のコア、エズリアルならマナムネ+トリニティフォースが一般的といったように、多くのプレイヤーが採用している“基準点”を把握しておくことが大切です。
この「基準形」は、ビルドをいじる際の比較材料にもなります。
基準形を理解したら、次はどの部分にアレンジの余地があるかを考えてみましょう。
- 靴の種類:敵構成に応じてマーキュリーかプレートスチールか
- 最終アイテム:敵にタンクが多ければモルデカイザーのような貫通アイテム、そうでなければ防御やユーティリティに振る
- ルーン系:よりレーン強化するか、後半に備えるか
このように、“なぜ変更するか”の理由づけを持つことで、ビルド選択に自信が持てるようになります。
【Step 2】理論値を突き詰めるには?
理論値ビルドを考えるときは、「このアイテム構成で、実際にどのくらい火力が出せるのか?」を数字で把握することが重要です。
ステータス計算ツールやプラクティスツールを使えば、簡単なDPS検証が可能です。
例えば:
- 攻撃速度を最大化するとどこまで上がるのか?
- 40%CDR(スキルヘイスト)でどれだけスキル回転が速くなるか?
- 相手のAR/MRを考慮した時のダメージ期待値
これらを比較することで、「見た目だけ強そう」なビルドに惑わされずに済みます。
LoLalyticsの最新データによると、全ランク帯で高評価を受けている理論値ビルドには以下のようなものがあります
✅ シェン(Shen)|トップでの安定運用(投稿執筆時点)
- 勝率:51.22% / Tier:S+
- コアビルド:サンファイア・イージス + タイタン・ハイドラ
- ルーン:不滅(グラスプ)
✅ セナ(Senna)|ハイブリッド型ADC(投稿執筆時点)
- 勝率:51.70% / Tier:S+
- コアビルド:ムラマナ + ブラック・クリーバー
- ルーン:魂の収穫 or プレデター型
これらはDPSやCC、サステインの理論的最大化を目指したビルドであり、実戦でも安定したパフォーマンスを発揮しています。
まだ新パッチ直後なので変動する可能性は大いにありますよん
- ヴェインAS極振り型:ウィッツエンド+グインソー+ブレード+ファントムダンサーによって、最大攻撃速度とライフスティールを両立。1v1性能が極端に高まる。
- ゼドAR貫通特化型:ヨウム、セリルダ、黒斧の3点セットでAR貫通60%以上確保。タンクにも刺さる“スノーボール専用機”に。
上記の、理論上の破壊力を追求したビルドは、ハマれば爽快。ただし、feedも視野に。構成に合わないと活きない点も要注意です。
【Step 3】個性派ビルドの世界へ
理論値とは逆方向に位置するのが“個性派ビルド”。
たとえば…
- ファントムダンサーコグマウ:謎の回避性能+AA最強のロマン型
- APサミーラ:QスキルのAPスケーリングとRの見た目重視
勝率は度外視。でも、「自分にしかできない動き」ができた瞬間の快感は格別です。
こうした個性派ビルドはまずノーマルで。勝ち負けより“盛り上がったら勝ち”というノリで楽しみましょう。
LoLは“勝てば嬉しい”だけのゲームではありません。
そこに囚われすぎるとバケモノになっていることもありますしね。
- 自分だけの動きができた
- 予想外のビルドで相手を翻弄できた
- 見ていたフレンドに褒められた
そんな、「ゲーム体験」そのものを豊かにするビルドが存在するのです。
あなたにとってのLoLが、数字の勝敗を超えた「表現の場」になった瞬間、それはもう立派なビルド研究の成果です。
心に巣食うバケモノが開花しそうになった時は一度楽しみを取り戻しにいくことも大事かもしれませんね。。
【応用編】ビルドの“正解”はプレイヤーごとに違う
理論値で強くても、「なんか合わない」ことってありますよね。
たとえば、スキルを回しまくるのが得意な人にはスキルヘイスト重視が合いますし、ワンコンで決めたいなら一撃系のアイテムがしっくりきます。
感覚と数値のすり合わせこそが、自分だけのビルドを生む鍵となることもあるのです。
ビルドの手応えは、意外と**「後から思い返して初めて分かる」**ものでもあります。
実際自分では勝率がいいキャラが・悪いキャラが、全くの逆だったなんてことは多々あります。
リプレイ保存、OBSでの軽い録画、Xやブログへの一言メモなど、小さな記録が次回に活きてきます。
失敗しても、「何が足りなかったか」「逆に良かった部分は何か」を考えるヒントになるので、
当サイトでは積極的に活用することをおヌヌメします。
いきなり個性を出そうとしても、うまくいかないもの。
まずは既存のビルドをそのまま使ってみる → 違和感を感じたところだけ変える、というやり方がオススメです。
試してみた結果、「やっぱり元の方が良かったな」と感じることもあります。
そんなときは素直に戻しましょう。それもまた立派な学びです。
理論上の強さよりも、“自分が使って勝てるビルド”の方が実戦では強かったりします。
その感覚を大切に、自分専用の“解答”を見つける過程を楽しんでください。
実験→記録→分析→修正のループ
これはまさにビルド研究のPDCAサイクルです。
少しずつズラし、反応を見て、戻し、また試す。この繰り返しで、あなただけの最強ビルドが生まれます。
Twitter/Xやブログで発信してみよう!
「こんなビルド試してみたけど微妙だった」
「これ強すぎたかも…?」
そんな一言でも、誰かのヒントになったり、逆にコメントから新たな発見があるかもしれません。
ぜひ、自分だけの研究結果を外に出してみてください。
共有→フィードバック→発見のループが、また次のビルドの種になります。

